酒を飲んで電車に乗り、そのまま帰るのも勿体無いような気がして、一緒だった後輩と海に行った。ビールを持って行った。僕は酒を飲むとだいたい、そういう気分になる。まっすぐに帰れないし、適度に飲む、というのがどういうことかもよく分かっていない。海は波が寄せてる手元はまっ暗だけど、遠くの方には明かりなんかが見える。熱海とか小田原辺りなのだと思う。椅子がなかった。当たり前だ。消波ブロックの、割と地面に平行なのを探して座り、ビールを開けて飲んだ。流木があった。焚き火をしようという話になって、小枝とかを拾い、火をつけてもなかなか燃え上がらない。小雨が降っていたし、木も全体に湿っていたから。1時間くらいかけて、ようやく軌道に乗った感じの焚き火になった。火の粉がすごい。木が湿っているからだろうか。買ったばかりのスーツに穴が空いたら嫌だな、などと思う。なんだか、焚き火に合わない感じ方だ。燃え上がる。もっと木が欲しかった。もっと木があれば、燃え上がる火には満足するけれど、明け方まで火は消えず、ますます帰れなくなるだろう。新しい木を探すことはしなかった。酔っていたのだ。それと時間がなかった。思いついたすべてをすることはできない。眠たくなるし、朝はやってきてしまう。雨が強くなってくる。