しばらくmixiから転載します。






あったこと、先週29歳になった。10年前の松本市の女鳥羽川沿いで、3年後も5年後も生きているだろうということに実感が湧かないというか想像も付かなかった頃から考えると、今でも何となく生きている、驚きもしない。まして、今から10年後ともなると、これはまた何となくで生きているのだろう、それだけは想像ができる。良いことなのかどうかは判然としない。少なくとも、誰かが僕の前にそういう材料を並べ、「これは善きこと」などと言われるのならば心の中で反発くらいはするだろう。そのくらいはしたい。でも、祝ってくれる人がいて、ケーキを2回食べたこととか、メールを貰ったこととか、そういうのは嬉しかったです。歳をとったのが嬉しかったのではなく、今そういう状況であったことが嬉しい。歳をとるのなんてちっとも嬉しくない。村上春樹は頻繁に、「歳をとるのは、それはそういうものなんだ」など書くけれど、僕は村上春樹も好きだけれど、その点に関しては同意し難い。同じ日に歳をとっているのです。僕ならば何度でも19歳からやり直したい。「18歳の次は19歳で、19歳の次は18歳」けれど、実際19歳の次は20歳なわけなので、目の前にリセットボタンがあれば、リセットボタンを押した行為のリセットは効かないことは必然で、それを押す?君は?今だって生きているのに。29歳になると生きているのはそんなに辛くない。歳をとるっていうのがそういうものなのだとしたら、僕は19歳のままで29歳になりたかった。

誕生日の次の日に彼女が祝ってくれたので、多摩川沿いを川崎駅から武蔵小杉駅まで歩いた。多摩川沿いは川が大きくて遮蔽物も殆ど無いから、驚くほど寒かった。僕は冬に生まれたんです。誕生日には、家族の皆が優しくて、学校では友達が少し特別扱いしてくれてウチに来てくれたし、いつも冬だったらいいのにと思った。冬は澄んでいて、暖かくて、とても良い。