仕事が久しぶりに大変で、あれは怒られたというのか、それも久しぶりだった。大人になると怒られることなんてあまりない。あまりないけれど、じゃあ子供のときにはあっただろうか。それもまたあまりなかったような気がする。父親に殴られることはあっても、あれは怒っているというより暴れているという方が近かった。

いろんな人に面倒をかけてしまったし、結果的に仕事も増えてしまったので残業をしてきた。帰ろうとしてメールをすると今晩はカレーだと返信があった。カレーは大概のことをクリアーにしてくれるのですごいと思う。ただ、今日のカレーはたぶん野菜の入れすぎ。それでもそれなりにおいしいのだから、やっぱりカレーはすごい。

駅前まで酒を買いに行ったときに、一緒にシャボン玉も買った。シャボン玉なんて吹くのは相当久しぶりだった。息が続くだけ吹いたらかなりの数のシャボン玉が歩く道を後ろに飛んでいった。それは子供用の100円のものだったから、それが仮にもっとちゃんとしたものだったら、僕にはきっと、もっともっとたくさんのシャボン玉を飛ばせた。

夜の住宅街は暗くて、シャボン玉は街灯を受けてほんのちょっぴり輪郭を輝かすだけだった。それなら次はラッパのやつを買おうと思った。そういう風に話した。ラッパのやつはそれはもうすごいはずなんだよ。