池袋のサンシャイン水族館でくらげを見てきた。くらげは今日もゆらゆらしていて、悩みなどなさそうだった。一方で僕たちが現在抱えるべき悩みとはどのようなものかと言えば、それはきっと、日経平均株価の今日の終値だとか、緊迫する中東情勢だったりするのだろう。大変なことだ。海の向こうで戦争がはじまったくらいに。

サンシャインに隣接する公園には猫がいっぱいいた。ちょっと想像しにくいくらいみっちりと。それからブルーシート。そういうものの方が精神的にくるものはあるかも知れない。少なくとも多摩川の向こう岸で喧嘩がはじまったくらいのリアリティーでは迫ってくる。

僕たちは河川敷でお弁当を広げている。今日のサンドイッチは玉子とツナ。ちょっとだけ、ハムサンドがないことに不満を感じたりもする。でも、そういうのが自分勝手な感想なのは分かっている。だって、それは誰かが僕のために作ってくれたことを知っているのだから。

向こう岸の喧嘩は続いている。ちょっとした騒ぎだ。僕には関与のしようがない騒ぎ。ついに棒杭が持ち出される。割れる頭。購いの血。日常は幸福に溢れている。いつだって河には血が流されているのだから。

猫はどこにだっている。目が合ってもにゃあと鳴いてどこかへ行ってしまう。