雪が降るはず。そういう約束だったはずなのだ。約束なんてしてないし、勝手にそう思い込んでいただけだと言えば、確かにそうなのだけど、それを考え出すと誰のことも信じられない。また裏切られた。もう誰の言うこともまっすぐに聞かない。目を合わせることなんてしないし、野の草や花だけを愛でて生きる人間になってしまう。

そんなことを考えながら換気扇の下で酒を飲んでいたら酔った。今だって明日起きたら街は一面の雪だって信じてる。そうしたら長靴を履いて仕事に行こう。どんどん踏んでいく。