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上を見て歩くといいと言われた。つまり、僕は足下ばかり見て歩いているのだそうだ。考えてみればそうだったようにも思う。それからたまに空を見上げる。すると見慣れた建物のはずが、その屋根から避雷針、曇天に向かって伸びていたりする。空を見上げる。いつでも空は無言だ。街を行き交う人も、交差点を流れる車もない。
僕が好きだった風景はどんなものだっただろうと思う。例えば深夜の狭い踏切、遮断機が降りて目の前の家に赤い灯火が映るのは好きだった。夜は緑色で、線路の向こうには浮かび上がるみたいに駅舎とホームの明りが見えた。
生きているといろんなものを目にする。当たり前だけれど。でも、その中からいくつかが妙に心に残って、それがなぜだろうと考えるとよく分からない。あるいは、好きになるっていうのはそういうものなのかも知れない。
いま、家の外は雨の気配。近くの幹線道路を車が雨を跳ねて走る音がする。
久しぶりにレディオヘッドを聴こうと思って"The King of Limbs"を買ってみたら思いのほか良かった。
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今はAkira Kosemuraを聴いてる。
こんなの